土呂のブログ
- つながる食育
季節が進む度、Haku(5歳児クラス)の子ども達は必ず、行事ずかんを手に取ります。
そして、進む季節を感じながらどんな行事があるのかを子ども達自身が学び、遊びに取り入れていきます。
そんな中、最近のHakuの子ども達は自分たちのやりたいことが見つかると必ず6人が集まります。
そして、その「事柄の意味」・自分たちが「やりたい理由」・そして「どうしたいのか」を話し合います。
その後、自分たちだけでは叶えられないことがあると必ず事務室に相談にやってきます。

秋ごろから食に興味を持ち始めたHakuの子ども達。
年が明け、「お正月」という行事を知る中で、「七草」を探しに公園やスーパーに行ったり、玄関に飾られた本物の「鏡餅」にひびが入っていく様を見ながら、「やってみたい」が動きました。
「みんなが元気に過ごす為に自分たちで七草がゆを作って、食べてみたい・・・」、これが今回の相談でした。

「子どもたちのやってみたいを大切に・・・」これがルアナが大切にしていることです。
そして、園目標に「食べることを楽しむ子ども」というものがあります。
それを踏まえると、やらせてあげたいと思う反面、衛生面やSDGsなどについても思案しました。
その後、子ども達に「やってみたいことはやってみよう。でも、身体のことを考えると作ったものを食べることは保育園ではできない」ことを伝えました。
対話を重ね、子ども達は「食べられなくても作りたい」と結論づけました。
エプロンや三角巾を自らつけ「ひもを結ぶ」経験をしました。

お米を洗うことで冬の水の冷たさを改めて実感しました。

七草を刻みながらその香りを確かめました。


水から炊くおかゆは、水分を吸ってふっくらすること、そこから立ち込める甘い香りに「いいにおい」とその香りを感じました。


刻んだ七草を入れ、実際の混ぜてみることで、湯気から伝わる熱量も感じました。


「七草がゆ」が完成し、思わず「わ~~~~」と歓声を上げた子ども達
その顔は「やりたい」をかなえた満足感にあふれていました。

この日の七草がゆ作りは、年下の子ども達にも伝わり、七草がゆを感じる為に、全てのクラスが事務室にやってきました。
そして、この姿を見ながら、香りを感じ、食への興味を沸かせ、それを作る年長の姿に憧れを持つ子ども達の姿がありました。


年下の子ども達は、その後、Hakuの子ども達が買ってきてくれた本物の七草を受け取り、クラスで触れて遊び、給食では「菜飯御飯」や「大根の澄まし汁」を食べました。

この経験を経たUlu(1歳児クラス)の子ども達は、いつもよりも早く給食の準備をはじめ意欲的に食を進めたそうです。
また、Kai(2歳児クラス)の子ども達は、「くさい」と表現する野菜の香りを、この日のご飯は「いいにおいだね」と表現し、野菜を身近に感じたようです。
そしてHakuの子ども達は、自分の作った七草がゆと見比べながら、いつもよりも大切そうに給食を味わって食べていました。

この七草がゆは、その後、各クラスと事務室に「みんなが元気に過ごせますように」とHakuの子ども達が届けてくれ、「無病息災」願いました。
また、園の玄関に作られたルアナ神社にもお供えし神社の神様やおうちの方の無病息災も願いました。

夕方になり、お迎えに来たおうちの方に「今日は七草がゆを作って一緒に食べよう」と話していた子がたくさんいました。
そして、乳児クラスの翌日の連絡帳には、「七草がゆを出すと「保育園で食べた」と話してくれました。」とそれについての話題がありました。
たくさんの学びのあった七草がゆ作りから2日後・・・園の鏡開きが行われる日。
今度は「鏡開きをしてお汁粉を作りたいです!」とHaku組が相談にやってきました。
そこで、七草の日と同様、子ども達は、時間をかけ、小豆を煮て、お汁粉を作りました。
完成したお汁粉を目の前に「できた!」とまた目を輝かせ満面の笑みを浮かべた子ども達。
1日かけて完成させた達成感と自信は子ども達の心をまた大きく育ててくれたことでしょう。
この日、2日でさらに食への興味が高まったHakuの子ども達は、全員が、自ら書いたレシピを持ち帰り、連休の間に、おうちの方にお願いをして、おうちでお汁粉を一緒に作り、食べたそうです。



「実際に自分で作ったものを保育園で食べることで食への意欲が育まれる」・・・これが一般的な食育の考え方です。
その一方で「衛生管理」「アレルギー」「食品ロス」などへの配慮・・・・これも保育園での食育では大きな課題の一つです。
その中で、ルアナで育つ子どもの食に対する最善の利益がどこにあるのかを改めて考えさせられる時間がありました。
しかし、年長の子ども達のこの姿は、一人一人の五感を刺激し、心を動かし、食への興味や意欲へとつがる経験として心の中に残しました。


乳幼児期の経験は、未来を生きていく為の土台作りです。
作ったものを「今」食べるのか食べないか・・・。
そんなことよりも、このプロセスで学んだ様々な経験が、子どもの「食」の根っことなり、未来の「食べることを楽しむ」に繋がります。
そして、その瞬間に食べることが叶わなくても、ルアナで育つこどもたちの「未来につながる食育」を子ども達の姿から実感した一日でした。



食べることは生きていく上で欠かせない生涯続く営みです。
だからこそ、「その場の教育」でなく「生涯のつながる教育」大切にしていきたいと思います。





